[最終更新日]: 2021/03/03
ツインブロックってこんな矯正方法
ツインブロックとは、上顎前突(出っ歯)の矯正に適した矯正方法のひとつです。上顎と下顎にそれぞれ装置をつけ、噛む時に加わる力で下顎を前方に誘導します。加えて、顎の成長が活発な時期に行うことで、より効率的に矯正することが可能です。
取り外しができ、装着は就寝時のみが基本なので、衛生管理がしやすい、歯磨きの邪魔にならない、食事が食べやすい、見た目を気にしなくてよいなどのメリットがあります。
改善が期待できる症状
ツインブロックによる矯正治療で、改善が期待できる症状には、次のようなものが挙げられます。
- 下顎の低成長による上顎前突(出っ歯)
ツインブロックは、他の機能的矯正装置と異なり、上顎と下顎両方に装着する装置です。成長の力を利用し、下顎の成長を促します。特に、顕著な上顎前突の場合に検討される治療法です。
施術に適した年齢
ツインブロックによる矯正治療に適した年齢は、一般的に7~10歳位とされています。ツインブロックと同じく、上顎前突の矯正に使われることが多い、バイオネーターに比べると、適応年齢が短いのが特徴です。
個人差はありますが、目安としては、上の前歯が生え変わった時から乳臼歯が生え変わるまでが、ツインブロックの能力がより発揮できる期間とされています。
しかし、あくまでも目安なので、ツインブロックを検討する場合は、一度歯科医師に相談してみることをおすすめします。
治療方法
ツインブロックは「噛む」機能を利用して、下顎の成長を促す治療方法です。就寝時に、上顎と下顎両方にツインブロックを装着します。ツインブロックは上下の歯をかみ合わせた時に装置が作用するのが特徴です。下顎が前方に滑り出すことで、下顎の成長を促します。
基本的には、上顎前突の矯正に用いられますが、叢生(凸凹歯)を併発している場合は、ツインブロックに拡大ネジを組み合わせることで、同時に治療を進めることも可能です。
治療期間
ツインブロックによる矯正治療の治療期間は、個人差がありますが、1~2年位が一般的のようです。ツインブロックは、乳歯の生え変わりが活発な時期になると、装置の安定性が低くなりやすいため、場合によっては使用できなくなることもあります。そのため、適応年齢は7~10歳前後となっているので、ツインブロックを検討する場合は、早めのタイミングで、歯科医師に相談しておくとよいかもしれません。
費用目安
ツインブロックによる矯正治療にかかる費用は、健康保険の対象外であるため、全額自己負担となります。クリニックによって費用設定が異なるので、それぞれのクリニックに確認することをおすすめします。一般的には、30~50万円位が目安のようです。
矯正治療は高額になってしまいがちなことから、多くのクリニックでは、デンタルローンやクレジットを取り扱っています。治療内容とあわせて、費用についてもしっかりと確認しておくことが大切です。
また、条件がありますが、矯正治療にかかった費用が、医療費控除の対象となる場合もあります。
リスク
ツインブロックによる矯正治療のリスクとしては、「指示通りの装着ができないと、思うような結果が得られない」ということです。
ツインブロックは、固定式の矯正装置と違い、取り外しができるというメリットがあります。しかし、自由に取り外せるがゆえに、子供が勝手に外してしまうということが起こり得るのです。また、扱いが悪いと、破損してしまうということもあります。
このようなリスクを回避・軽減するには、子供だけではなく、家族が協力して取り組む環境を作ることがポイントです。
口コミ
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ツインブロックのメリット・デメリット
メリット
ツインブロックによる矯正治療のメリットには、次のようなものが挙げられます。
- 取り外しができる装置なので、衛生管理がしやすい。
- 固定式のブラケット装置に比べ、痛みや違和感が少ない。
- 固定式のブラケット装置に比べ、治療費用が抑えられる。
- 食事中や歯磨き時には外していられるので、邪魔になりにくく、虫歯リスクも軽減できる。
- 通園・通学時には装着しなくてよいので、見た目を気にする心配がない。
デメリット
ツインブロックによる矯正治療のデメリットには、次のようなものが挙げられます。
- 決められた装着時間・方法を守らないと、思うような結果につながらない。
- 固定式のブラケット装置に比べると、歯が動くまでに時間がかかる。
- 個人差があるものの、おおよその適応年齢が限られている。
ツインブロックは、上顎前突の矯正に適した装置です。同じく上顎前突の矯正に用いられるバイオネーターよりも、強度の症例に対応できるのとされています。そのため、出っ歯が目立って気になっている方におすすめの矯正方法です。
子供の矯正治療は、矯正装置をきちんと装着できるかどうかで、結果が左右されます。ツインブロックをはじめ、子供の矯正治療で使われている矯正装置の多くは、取り外しができるというメリットがある一方、そのことがデメリットとなる場合もあります。
子供にとって、口の中に矯正装置を長時間入れておくことは、少なからずストレスや不安が生じます。そのため、嫌がったり、勝手に外してしまったりということも。こうした場合に、装置の装着だけに囚われて無理強いしてしまうと、余計に治療が難しくなってしまいます。子供の矯正治療は、子供だけが頑張るのではなく、家族が協力してサポートすることで、よりよい結果につながります。初めから完璧に装着できなくても、焦らず、子供の様子をよく観察したり、励ましたりしながら、子供のペースで進めていくのがポイントです。
ツインブロックをはじめ、さまざまな子供の矯正治療法があるので、お子さんにより適した治療方法を見つけてあげてくださいね。