[最終更新日]: 2024/08/06
歯科矯正治療は基本的に自費診療となるため、マイオブレース治療もその対象です。そこで気になるのは、やはり費用ではないでしょうか。ここではマイオブレースにかかる費用相場と内訳、費用面におけるワイヤー矯正・成人矯正との違いについてご紹介していきます。
子どもの成長を
活かす矯正・
マイオブレース
とは
現在の日本で主流となっているのは「悪くなった歯並びを整える矯正治療」ですが、マイオブレースは「歯並びが悪くなる前に行う矯正治療」であることが特徴。つまり、歯並びを悪くする習慣・クセを子どもの頃に改善し、正しい歯並びへと導いていくものです。
使用するマウスピースは、1日1時間と夜間就寝中に装着。そして毎日のトレーニングを行うことで口周りの筋力を強化し、あごの発達を促して永久歯が生えるスペースを作り出します。
マイオブレースの
費用相場
矯正は多くの場合、保険外診療の自費治療となります。もちろんマイオブレースも例外ではありません。
気になるマイオブレースの費用相場ですが、治療費が平均40万円前後。その他に、定期的な診察・管理にかかる費用が1ヶ月あたり5,000円前後となります。治療にかかる期間は、子どもの協力をしっかりと得られた場合で約2年間です。
費用の内訳
歯列矯正は自費診療となるため、クリニックごとに料金の設定が異なります。内訳もクリニックによって違いますが、おおよその内訳は以下の通りです。
・矯正検査:20,000円ほど
・マイオブレース治療費: 400,000円ほど
・管理料:5,000円/1ヶ月
矯正検査とは治療開始前に行う検査で、レントゲン撮影・口腔内写真撮影・歯列の型取りなどが含まれます。矯正検査は初回のみ行われるのが一般的ですが、治療が長期にわたる場合は状況に応じて複数回の検査を行うことがあります。
その際の料金は治療費に含まれるのかどうか、あらかじめ確認しておくようにしましょう。
ワイヤー矯正との
違い
ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を付け、ワイヤーを通して固定。力をかけながら歯を動かしていく矯正方法です。歯の裏側にブラケットを装着する、裏側矯正などもあります。
装置や症状によって費用は異なりますが、金属製のワイヤーを使った表側矯正の場合、約50~80万円。治療期間は2~3年です。目立ちにくいクリアブラケット・ホワイトワイヤーを選ぶと、さらに5~10万円ほど上乗せされます。歯科医師の高い技術を必要とする裏側矯正の場合は、約100万円~150万円となります。
矯正治療の中でも比較的安価なワイヤー矯正ですが、歯並びの状態によっては100万円を超えることも。また、見た目が気になったり、痛みが負担になることもあります。
一方、マイオブレースは取り外し可能なマウスピースの装着とトレーニングだけで歯並びを整えることが可能。痛みを感じることもほとんどなく、治療後の後戻りも少ないため、トータルで費用を安く抑えることができるでしょう。
成人矯正との違い
成人矯正と小児矯正の大きな違いは、「体の成長を治療に活かせるかどうか」です。15歳以上の成人矯正の場合はあごの発達が完了しているため、矯正装置を使って強制的に歯を動かしていくことになります。抜歯を伴う治療になるリスクも高く、その分費用もかかる傾向にあります。
小児矯正の場合は、体の成長を治療に活かすことができます。適切な治療やトレーニングであごの発育を正常に促すことができれば、痛みや抜歯を伴うことなく、キレイな歯並びを実現できる可能性が高くなります。しっかりと永久歯が生えるスペースを確保できれば、将来的に矯正治療を受けるリスクも減り、費用も安く済むでしょう。
費用に関する
口コミまとめ
MRC矯正を行うために
大切だと思うこと
子どもの歯並びについて歯医者さんに相談したところ、口呼吸が歯並びを悪くする原因であることを説明されました。注意してもなかなか治らない口呼吸をなんとかして、歯並びもキレイにしてあげたいという思いから、小学1年生になる少し前からマイオブレースを始めました。
子どもが通っていた歯医者さんのマイオブレースの費用は55万円で、定期的な通院代が月5,500円。55万円は、治療の診査・診断料、矯正診察費だそうです。(※記事の内容は2020年のため、2020年の消費税率での金額を表示しています。)
長期間の治療となるため、子どもにやる気を出してもらい、それを持続していくことが必要かなと思います。
子供の将来のためと
割り切っています
1歳6ヶ月検診で反対咬合の気があると診断され、その後も噛み合わせの不安が続いたため、4歳の時点で行きつけの歯科医院に相談。そこで勧められたのがマイオブレースでした。もっと小さい頃から始める子もいるようですが、内容を理解できる年齢になってからスタートすることにしました。
費用は、初回のマウスピースと月毎の検診込みで25万円(税込27.5万円)。マウスピースのサイズ・形状変更、破損などで交換する場合はその都度1万円(税込1.1万円)が必要でした。
一般的に、1~2回はマウスピースの交換が必要となるそうです。ワイヤー矯正に比べれば安いですが、それでも高額な治療です。でも、あごの発達のためには重要なことなのでこの出費はプラマイゼロと考えています。
まとめ
自費診療となる歯列矯正は、決して安いものではありません。しかし、子どもにとってより良いタイミングで矯正治療を始められれば、痛みなどの負担も少なくなりますし、抜歯を伴う矯正治療の必要がなくなったり、費用だけでなく治療期間が短くなる可能性もあります。
何より、子どもにキレイな歯並びを贈れるということは、親にとっても大きいことではないでしょうか。未来への投資と考え、前向きに検討してみてください。
調査・文/坂野香織さん(歯科衛生士 有資格者)