[最終更新日]: 2024/10/25
親の歯並びが悪いと「子どもに遺伝してしまうのではないか」と心配されている方もいるのではないでしょうか。遺伝する可能性が高い歯並びもありますが、生活習慣によって決まることもあります。ここでは、歯並びが子どもに遺伝するのかどうかを解説していますので、気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
歯並びは遺伝と習慣で決まる
歯並びは、遺伝と生活習慣が関係しています。遺伝によって、歯とあごの大きさは決まり、鼻呼吸や指しゃぶりといったクセがあると、歯の向きや位置が変わります。
生活習慣による歯並びは、歯が生え変わるときに気をつけるのはもちろん、トレーニングを行うことで改善する可能性があります。一方、「叢生」と呼ばれる、あごのスペースに対し、歯とあごの大きさのバランスが崩れデコボコなってしまう状態は、遺伝によって決まると考えられています。
遺伝する可能性が高い歯並び
受け口や上顎前突などは、遺伝する可能性が高い歯並びです。ここでは、遺伝する可能性が高い歯並びについて、詳しく解説しています。
受け口・上顎前突
歯列不正の中でも、受け口や上顎前突といった、あごの大きさや成長に原因がある場合は、とりわけ遺伝する可能性が高いとされています。
下顎が上顎より成長することによって起きる受け口や、それとは反対に下顎が発達しないために起こる上顎前突は、遺伝するケースが多く、親族と同じような顔貌のケースになることが多く見られるのが特徴です。
軽度の場合、簡単な矯正装置で成長をコントロールしていくほか、硬いものを摂取して成長を促すことで改善するケースもあります。
過剰歯・先天性欠損
過剰歯と呼ばれる、永久歯の本数が多いケースや、少ない先天性欠損と呼ばれる状態は遺伝することがあるため、注意が必要です。
過剰歯は叢生に、先天性欠損はすきっ歯になる可能性が高いとされ、両者とも自然に改善することは少ないため、矯正治療が必要です。
親や兄弟の中に、過剰歯や先天性欠損がある場合は、歯科クリニックでレントゲン撮影をして確認する必要があります。6歳頃であれば、永久歯が生える前でも、レントゲンにて永久歯の本数を確認できます。
生活習慣など後天的要因による歯並び
遺伝以外で、歯並びに大きな影響を与えると言われているのが、指しゃぶり・頬づえ・鼻呼吸などの習慣です。
このような悪習癖は、乳歯列の頃から見られる場合が多いです。乳歯列のうちは様子を見て、永久歯になっても歯並びが悪ければ歯列矯正をしようと考える方もいるかもしれません。しかし、歯列矯正を検討する前に、上述した悪習癖を早めに改善することが、将来子どもの歯並びをよくすることへつながります。
口腔周囲の筋肉を鍛えて対策
遺伝の影響が強く影響するものには、骨格や歯の大きさも挙げられます。上顎や下顎が大きく出ている場合には、歯列矯正と合わせて骨を切り取る手術を行うケースもあります。
しかし、骨格バランスがそこまで悪くない場合は、舌・口周りの筋肉を鍛えることが重要です。歯は生えてきた後、舌・頬の筋肉のバランスによって細かく位置が変動します。舌の筋力が弱いと、歯は内側に移動し、唇を閉じる力が弱ければ前歯が出っ歯のような状態になってしまいます。
自分で骨や歯の大きさを変えられませんが、筋肉は後から鍛えることが可能です。筋肉を正しく発達させていくには、哺乳の仕方はもちろん、離乳食を摂取する際の姿勢、幼児食に使用する食材の切り方などの生活が大きく関係します。
気になる症状がある場合は早めに歯科クリニックへの受診を検討しよう
遺伝から強い影響を受けるのは、受け口や出っ歯などの骨格性の特徴だといわれています。遺伝以外に、指しゃぶり・頬づえ・鼻呼吸などの習慣が影響するため、このような悪習慣がある場合は、注意が必要です。
自分で骨や歯の大きさは変えられませんが、筋肉を鍛えることは可能です。哺乳の仕方や、離乳食を摂取する際の姿勢、幼児食に使用する食材の切り方などを見直すことも必要です。
骨格バランスがそこまで悪くない場合は、舌・口周りの筋肉を鍛えることも1つの方法ですが、状態によっては、歯列矯正を勧められるケースもあります。気になる症状がある方は、早めに歯科クリニックへ相談してアドバイスをもらうことが重要です。