子供矯正パーフェクトNAVI » 子供の歯の悩みについて » 子供の歯がくっついて生える「癒合歯」について【監修記事】

[最終更新日]: 2024/10/31

歯がくっついて生えてくる「癒合歯」とは

子供に「癒合歯(ゆごうし)」という症状がみられることがあります。永久歯でも現れる症状です。顎の骨の中で歯が成長していく過程に隣接する歯がくっついてしまう症状です。出現する割合は3〜4%と言われていますから、それほどまれな症状ではありません。乳歯の場合には、下顎乳側切歯(真ん中から2番目の歯)と乳犬歯(真ん中から3番目の歯)の癒合、下顎乳中切歯(真ん中の前歯)と乳側切歯(真ん中から2番目の前歯)の癒合、上顎乳中切歯(真ん中の前歯)と乳側切歯(真ん中から2番目の歯)の癒合の順に発生しやすといわれています。

「癒合歯」の原因

癒合歯の原因は詳細なこととしてはわかっていません。しかし、有力な説としては歯胚(歯が発生するもととなる細胞)が隣接する歯胚と癒着してしまった結果だといわれています。また、人種差があることなどから、遺伝的な原因があるとの説もありますが、まだはっきりとはしていないのが現状です。ただ、癒合歯は治療もできますから親御さんが遺伝的なことで悩む必要はありません。

「癒合歯」のリスク

虫歯や歯肉炎になりやすい

癒合歯は、歯がくっついているため、癒合している部分は凹んでいることが多いです。そのため、凹んでいる部分にプラークが多く付着してしまうことも多く、虫歯になりやすいとされています。しかし、ブラッシングさえしっかりとできれば、その心配も減少します。親御さんがしっかりと歯磨きのフォローをしてあげてください。

永久歯への影響

永久歯が形成されるのは乳歯の刺激が必要とされています。しかし、癒合歯の場合には乳歯が2本のところ1本になっているので、永久歯の形成も1本しかない場合があります。乳歯が癒合歯の場合、永久歯が1本になる確率は5割弱ともいわれています。

「癒合歯」になった場合の対処法

永久歯の数を確認

一般的に乳歯が癒合歯だった場合には経過観察をすることが多いです。乳歯が抜ければ正常な永久歯が生えてくる可能性があるからです。生え変わる年齢になったら、レントゲンで永久歯が正常な本数かを確認します。

必要に応じて抜歯

乳歯の癒合歯では、生え変わり時期になっても自然に抜けにくいことがあります。その場合には歯の状態をよく観察して、永久歯のために抜歯をすることもあります。

シーラントをする

シーラントとは、樹脂で歯のかみ合わせの溝などを埋めて虫歯になりにくくするものです。6歳ごろに奥歯の永久歯が生えますが、溝が深いためシーラントをすることがあります。その方法を応用して、癒合歯の溝を埋めるわけです。

癒合歯は、よくお母さま方は心配されますが、特に神経質に考える必要はありません。もちろん虫歯のリスクや、その後の永久歯が生えてくるかどうかなど、問題は考えられますが、しっかりお家でブラッシングをしてあげて、歯医者さんで定期的に経過を見ていけば、問題ないと思います。たまに責任を感じるお母様がおられますが、お母様に責任があるわけではないですし、一つの個性と考えてあげればいいと思います。

ただ、歯医者さんで定期的に診てもらって、今後他の歯を大切にしていこうと思えるきっかけにしてしまえば、すばらしいですよね。

監修医師紹介

髙森 博一 医師
  • 髙森 博一 歯科医/歯学博士

    昭和53年石川県生まれ、滋賀県育ち。京都府京都市在住。平成16年、明海大学歯学部を卒業。京都市内での勤務を経て2010年にたかもり歯科医院を開業。

  • 所属

    たかもり歯科医院
    https://www.takamori-dc.com

※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的なクリニックや施術や商品等を推奨しているものではございません

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