[最終更新日]: 2025/03/14
乳歯が抜ける一般的な時期や、抜けそうで抜けない場合の対処法、自然に抜けた際のケア、乳歯が抜けない原因について解説します。
乳歯がぐらついているからといって、無理に抜かないようにしましょう。基本的には、自然に抜けるのを待つことが大切です。
子どもの歯が抜ける時期は?
一般的に、子どもの歯は次のようなタイミングで抜けます。
- 前歯…6~8歳
- 犬歯…9~12歳
- 臼歯…10~12歳
ただし、あくまでもこれらは目安に過ぎません。個人差により、これよりも早く抜けることもあれば、遅く抜けることもあります。
極端に早く抜けた場合や、12歳を過ぎてもなかなか抜けない場合には、何らかの異常がないかどうか、一度歯科医院を受診してみると良いでしょう。
乳歯が自然に抜けた場合
乳歯が自然に抜けた場合、一般的にはその歯をどのようにするのでしょうか?今まで何年もお世話になってきた乳歯なので、あっさりと捨ててしまう気にもなれません。
かつて日本には「下の歯が抜けたら屋根の上に」「上の歯が抜けたら床下に」という風習がありましたが、近年では、また別の対処法が一般的になりつつあるようです。
抜けた乳歯に関する風習や処遇について、日本の場合と海外の場合とを比較して見てみましょう。
日本の場合
近年は、抜けた乳歯を専用ケース等で保管するのが一般的です。
抜けた歯をよく洗って雑菌を取り除き、よく乾燥させてからプラスチックや桐のケース、または袋や布などに包んで保管します。中には、へその緒と一緒に抜けた乳歯を保管している方もいるようです。乳歯を保管する際には、それぞれの歯が抜けた年月日を記しておくと良いでしょう。
ちなみに、「下の歯は屋根」「上の歯は床下」とする風習は、実は日本だけではなくアジア地域の多くで見られるそうです。現代でもなお、地域や家庭の考え方により、この風習は大切に守り続けられています。
海外の場合
日本を含むアジアでは「下の歯は屋根」「上の歯は床下」という風習がありますが、ヨーロッパでは、アジア圏とは異なる「トゥースフェアリー」と呼ばれるユニークな風習があります。
トゥースフェアリーとは、抜けた乳歯を枕元に置いて眠ると、妖精がやってきて乳歯とコインを交換してくれる、というもの。朝、子どもが起床すると、枕元の乳歯がなくなっている代わりにコインが置かれているそうです。
抜けそうで抜けない場合
抜けそうで抜けない乳歯があっても、自然に抜け落ちる時期を待つようにしましょう。歯が揺れているという理由で、決して無理に抜かないようにしてください。
抜けそうで抜けない乳歯を無理に抜いてしまうと、歯茎から出血することがあります。出血した部分から細菌が侵入して炎症を引き起こすことがあります。
また無理に乳歯を抜くと、永久歯が生えにくくなったり、本来とは異なる場所から永久歯がはえたりすることもあります。結果、矯正治療が必要になる可能性もあるため、決して無理に抜かないようにしてください。
歯が抜けた後のケアは?
乳歯が自然に抜けた場合、抜けた部分やその周辺をやさしく清掃し、清潔を保つようにしましょう。
子供の中には、「抜けた部分を掃除すると痛そう」と考え、手入れを避ける場合があります。しかし、そのまま放置すると、歯が抜けた部分から細菌が侵入するリスクが高まります。細菌感染によって永久歯の健全な成長が妨げられる可能性もあるため、適切にケアし、清潔に保つことが大切です。
特に、抜けた歯の隣に乳歯が残っている場合は注意が必要です。その乳歯に付着した細菌が、抜けた部分へ侵入しやすくなる可能性があります。隣の乳歯は、いつも以上に丁寧にブラッシングし、清潔に保ちましょう。
問題なく乳歯が抜けた場合、特に歯科医院で診てもらう必要はありませんが、歯の健康を守るために定期検診を受診することは大切です。
小児歯科へ定期的に通院し、虫歯のチェック、歯質強化のためのフッ素塗布などを行ってもらうようにしましょう。
乳歯がなかなか抜けない場合は?
個人差はあるものの、一定の年齢になれば多くの子どもは乳歯が抜け始めます。ところが中には、標準的な年齢を超えても、なかなか一部の乳歯が抜けない場合もあります。
乳歯が抜けない理由
乳歯がなかなか抜けない主な理由は、永久歯の成長の遅れ、もしくは永久歯の位置のズレがほとんどです。乳歯は、その下にある永久歯に押し出される形で抜けますが、永久歯の成長が遅い場合や永久歯の位置がズレている場合、乳歯はなかなか押し出されません。結果、抜ける時期が遅れてしまうことになります。
また、癒合歯(複数の歯が1つにつながった状態)や、先天的に永久歯が存在しないことも、乳歯がなかなか抜けない主な理由と考えられています。
乳歯が抜けない場合の対処法
乳歯がなかなか抜けない場合には、速やかに小児歯科を受診し、その原因を特定させましょう。
原因に応じ、歯科医師と相談しながら抜歯や矯正治療などの対処法を検討しましょう。
乳歯は自然に抜けるのが基本
乳歯が抜ける年齢は、おおむね6~12歳ごろ。基本的には自然に抜けるため、たとえ歯が揺れていたとしても無理に抜く必要はありません。むしろ、無理に抜くとトラブルの原因にもなりかねないので注意しましょう。
なお、スポーツなどでの外傷を理由に乳歯が抜けた場合、歯根の一部が顎の骨に残ってしまうこともあります。外傷などで抜けた場合は、歯科医院で状態を確認してもらうようにしましょう。