[最終更新日]: 2021/03/03
バイオネーターってこんな矯正方法
バイオネーターとは、主に下顎の低成長が原因となっている上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)、深すぎるかみ合わせの矯正に用いられる治療法です。成長する力を利用した矯正法なので、6~11歳前後での使用が適しているといわれています。
ワイヤーとプラスチック床でできた装置を口の中に装着して拡大ネジを少しずつ調整することで、下顎の成長を促します。取り外しできる装置で、装着は就寝時が基本なので、通園・通学時に見た目を気にする心配がないのがメリットです。
改善が期待できる症状
バイオネーターによる矯正治療によって改善が期待できる症状には、次のようなものが挙げられます。
- 下顎の低成長が原因の上顎前突(出っ歯)
- 下顎前突(受け口)
- 過蓋咬合(かみ合わせが深すぎる状態)
バイオネーターは筋肉の力を利用して、下顎の成長を促すことを目的とした矯正装置です。取り外しができるため、通園や通学時の見た目の心配や、食事や歯磨きの邪魔になることがありません。就寝時の装着が基本です。
バイオネーターは、固定式のブラケット装置と違って、機械的な強い力をかける治療法ではありません。成長していく顎の骨やお口周りの筋肉にアプローチしながら、歯並びやかみ合わせを整える治療法なので、痛みや違和感が少なく、矯正治療終了後の後戻りが少ないのが特徴です。
施術に適した年齢
バイオネーターによる矯正治療は、一般的に6~11歳位、いわゆる「成長期」が適しています。成長状況やお口の状態など、個人差はありますが、成長の力を利用する治療法なので、成長期以外の治療では、思うような結果につながらない場合もあるようです。
子供の成長は著しいため、バイオネーターによる矯正治療を考えている場合は、歯科医師と相談し、より治療に適したタイミングを計ったうえで、治療を開始するとよいでしょう。
治療方法
バイオネーターは、「機能的矯正装置」のひとつで、顎の成長や、口周りの筋機能にアプローチすることで、歯並びやかみ合わせを改善する治療法です。
装置は、ワイヤーとプラスチック床でできています。プラスチック床の中央に取り付けてある拡大ネジで、装置の幅を調節して、少しずつ下顎の成長を促します。
バイオネーターは、就寝時の装着が基本です。ブラケット装置と異なり、取り外しができるのがメリットですが、指示通りの装着方法や時間を守らないと思うような結果につながらないため、本人や家族の意思や協力が必要となります。
治療期間
バイオネーターによる治療期間は、1~2年程度が目安です。ただし適応年齢と同様に個人差があるため、症状や状況によって治療期間は異なります。
バイオネーターでの治療後に永久歯列期へ入ったら、より正確に矯正するⅡ期治療に移行する場合もあるようです。
費用目安
バイオネーターは保険適用外の診療(自由診療)になるため、かかった治療費は全額自己負担となります。クリニックによって費用は異なりますが、10~30万円ほどになると考えておきましょう。
矯正治療を行っているクリニックの多くは、デンタルローンやクレジットの取り扱いをしているので、治療開始前に、費用についても相談しておくと安心です。
また、条件がありますが、矯正にかかった費用は、医療費控除の対象となる場合もあります。
リスク
バイオネーターによる矯正治療で考えられるリスクとしては、「正しい装着をしないと、思うような結果が出せない」ということです。取り外しが可能なのがバイオネーターのメリットですが、子供の場合、嫌がって装着しなかったり、装着しても勝手に外してしまったりという場合も考えられます。
バイオネーターは、ブラケット装置に比べて、痛みや違和感が少ないとはいえ、子供にとっては、ストレスになることもあります。初めから完璧に装着することを強いるのではなく、子供の様子を観察しながら、少しずつ子供のペースに合わせて慣らしていくことが、リスク軽減のポイントです。
口コミ

バイオネーターを口に入れてすごす事に子供がなれるまで少し時間がかかったので、その点が心配でしたが、慣れてつけられるようになると効果も出てきたようだったのでほっとしました。
https://www.kyousei-shika.net/clinic/133917/review/
バイオネーターのメリット・デメリット
メリット
バイオネーターによる矯正治療のメリットには、次のようなものが挙げられます。
- 取り外しができる装置なので、清潔が保ちやすい。
- 歯磨きの邪魔にならないので、虫歯リスクを抑えられる。
- 就寝時の装着が基本なので、通園・通学時などに見た目を気にする必要がない。
- 成長の力を利用して、少しずつ整えていくので、痛みや違和感が少ない。
- 抜歯のリスクを軽減できる。
- Ⅱ期治療が必要となった場合でも、期間や負担が少なくて済む。
デメリット
バイオネーターによる矯正治療のデメリットには、次のようなものが挙げられます。
- 毎晩忘れずに装着しないと、思うような結果につながりにくい。
- ひとつの装置の拡大量に限界があるので、場合によっては装置を作り換えなければならない。
- ブラケット装置に比べ、歯の動きがゆっくり。
- 適応年齢が限られている。
バイオネーターは、成長期の力を利用して下顎の成長を促し、無理なくゆっくりと歯並びやかみ合わせを整える治療法です。ブラケット装置と違い、取り外しできて、就寝時のみの装着でよいのが特徴といえます。そのため、痛みやストレスの少ない矯正を希望する方や、見た目が気になる方などにおすすめの矯正治療です。
また、バイオネーターでの治療をしておくことで、永久歯列になってからのⅡ期治療の負担が軽減されることもあるので、本格的な矯正治療の下準備をしておきたい方にも適しています。
子供の矯正治療は、お口の状態はもちろんですが、子供の性格ややる気などによって、結果が大きく変わってきます。取り外しができて、痛みや違和感が少ないとはいえ、初めてバイオネーターを装着する子供には、少なからずストレスがかかるものです。完璧に装着することだけに囚われず、子供の様子をよく観察し、家族が協力してサポートしていくことが、よりよい結果につながります。
バイオネーターをはじめ、さまざまな矯正治療法があるので、お子さんにより適した矯正治療を見つけてあげてくださいね。